投書者:カナリア
マスコミが権力に忖度し、本質をえぐる報道をしなくなったのはい
つ頃からだろうか?
2012年、第二次安倍政権が誕生してからのこの10年。社会正義を目指すジャーナリズムに対して、「社会の木鐸」という言葉は、顕著に死語となってしまったかのようだ。『今後数十年の長期にわたろうとも、政府として全責任を持って取り組む』などという、無責任極まる岸田首相の虚言をもって愚行される、今日からの原発汚染水の海への放出。
『海外メディアは「汚染水」と表現し、日本のマスコミだけが経産
省と東電の表記に従って 「処理水」』と連呼する。「処理されているから安全なんだよ」と
人々に刷り込むためである。「風評被害」という言葉もそうだ。「実害はないのに騒ぐのはおか
しい・・」という世論誘導によって、同調圧力を増長するためのも
のだと思わざるを得ない。
振り返れば、公文書偽造の森友学園問題。国会で118回もの嘘を連発した「桜を見る会」の私物化問題。専守防衛の国是を、いとも簡単に破る「敵基地攻撃能力の保持」問題。また国会の審議無しに、防衛費を一挙に2倍にし、殺傷能力ある武器の輸出を認めてしまう戦時内閣のような独断などについて、徹底した批判報道は行われない。
特に堕落が甚だしい新聞・テレビ。これらのメディアが、起こっている事実に対し、権力に厳しく対峙する正しい報道をしていたら、これほどの悪政は防げていたのではないか?
私の主観だが、全国紙ではサンケイ・読売が最悪で、朝日・毎日・日経も日和っている。地方紙は健闘していて、中でも東京新聞が残った良心の砦。「因みに東京新聞は神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬・静岡(東部・中部)で配達可です」
テレビでは、フジTVが最悪で、日本テレビ・朝日・東テレが続き、TBSだけが何とか持ちこたえている。報道番組ではいずれもTBSのサンデーモーニング・報道特集・news23くらいしか、まともな番組がないと私には思える。
要はオールドメディアと言われている報道に接しているだけだと、政府(国家権力)の世論誘導に嵌ってしまうというのが、日本の悲しい現実なのである。ましてや、「聖教新聞」という宗教機関紙だけが情報源になっているような、一部の学会員諸氏においては、自分自身が、実は相当危ない情報弱者なのだという自戒をしなければなるまい。
対抗策としては、既存のマスコミ界から離脱したジャーナリスト達が「ユーチューブ」などで発信している客観情報等に接し、まずは自分の頭で考える事。この様な努力を重ね、自身の情報リテラシーを高めていくことが肝要なのではあるまいか。