【投書】「朝日新聞政治部」を読んで

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投書者:カナリア 


「朝日新聞政治部」崩壊する大新聞の中枢 講談社 鮫島 浩著を読んだ。面白かった。メディア凋落の一端を見た思いがした。著者は、章の区切り目に朝日新聞他、全国紙の発行部数を記載している。以下朝日新聞の発行部数。

1999年:829万部
2005年:818万部
2008年:803万部
2012年:765万部
2015年:675万部
2021年:466万部

著者は3,11東北大震災の際の「吉田調書」の扱いで、「捏造記者」の汚名を着せられた。これが遠因で昨年、朝日新聞を退社している。作中、著者は語る。

「新聞社が現場の記者をここまで露骨に切り捨てるとは夢にも思わなかった。私は木村社長が記者会見した2014年9月11日に朝日新聞は死んだと思っている」と。確かに上記発行部数を見ると、これ以降の減部は甚だしい。

国家権力はメディアの失策を刻々と狙い、恫喝し懐柔する。大手新聞社としての「朝日新聞」は国家権力に屈してしまったのである。日本に於いては大手新聞社とテレビ局は一体化している。すなわち、読売新聞=日本テレビ、毎日新聞=TBS、産経新聞=フジテレビ、日経新聞=テレビ東京、朝日新聞=テレビ朝日の権力に対するスタンスは同等のものとして考えて差し支えない。

安倍元首相の殺害事件をきっかけに、旧統一教会と自民党(特に清和会)の結びつきが注目されている。2006年、第一次安倍内閣の時に、旧統一教会は監視対象からはずされた。

そして2015年、自民党清和会所属の下村博文が文部科学大臣だった時に、「世界平和統一家庭連合」へ、名称の変更がなされた。反社会的な団体である旧統一教会は、安倍元首相をはじめとした主に自民党議員によって、ある種のお墨付きを得ていたのである。防衛大臣や国家公安委員長までもが、旧統一教会との結びつきを認め、恥知らずな応答をしている現状。こんなことを許していいわけがない。マスメディアは「社会の木鐸」だったはずではなかったか?大手マスコミが権力を監視し、真実を伝えていかなければ、この国は益々迷路にはまり込んでいく以外になかろう。

しかし、今や大手新聞社やテレビ局に、それを期待するのは無理なのかも知れない。それに代わる、SNSを通じた真の情報と言論。これを用いて戦う以外、方法はないのかも知れない。

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