座談会御書「乙御前御消息（身軽法重抄）」 2021年（令和３年）3月度
御書
乙御前御消息
御書全集 1221㌻4行目～6行目
〈本 文〉
いよいよ強盛の御志あるべし、冰は水より出でたれども水よりもすさまじ、青き事は藍より出でたれどもかさぬれば藍よりも色まさる、同じ法華経にてはをはすれども志をかさぬれば他人よりも色まさり利生もあるべきなり
〈通 解〉
さらに強盛な信心を持ち続けて下さい。氷は水からできたものだが水より冷たい。青い色は藍よりできたものだが、重ねて染れば藍よりも色がまします。 同じ法華経（御本尊）でも、さらに強盛に信心を重ねて（祈って）いけば、他の人よりも色がまさり、功徳もあることでしょう。
〈講 義〉
今月の御書は「乙御前御消息」（御書全集ｐ1221、４行目から６行目）です。
書かれている内容から、鎌倉から佐渡まで大聖人様を尋ねてご供養を持って行った、乙御前のお母さま（日妙聖人）に宛てられたものと言われています。
この御書は、中国への仏教伝来、仏教における教えの深さの違い、そして悪人成仏・女人成仏が説かれる法華経の大切さを説かれた後、法華経と真言の勝劣を説明されています。そして、真言に帰依しておごり高ぶっていた人々が、文永十一年の蒙古襲来という事実の恐ろしさを前にして態度を改めたことを述べられ、その蒙古襲来は、釈尊の御使いである大聖人様に日本の人々が怨をなしたからだとも言われています。
また、後段では、乙御前のお母さまの少しも変わらない信心をほめられ、最後の部分では、もし、蒙古が再び襲来して、日本の国が侵略されるようなことになれば、身延の山中に来て、ともに飢え死にしようではないかと仰られています。この、一緒に飢え死にしようという表現からは、もし、四条金吾が地獄に行かなければならないなら、大聖人さまも「同じく地獄」に行くと言われたこと（同p1173）が思い出されます。
今回の範囲は、「いよいよ強盛の御志あるべし、冰は水より出でたれども、水よりすさまじ、青とは藍より出でたれども・かさぬれば藍よりも色まさる、同じ法華経にては・をはすれども志をかさぬれば・他人よりも色まさり利生もあるべきなり」です。
誤解を恐れずに言えば、鎌倉時代に蒙古が日本を襲ったように、今の時代も、想像もつかないような出来事が次から次へと起こる。そのような時代だからこそ、ますます強く御本尊様を信じ、お題目を唱えることの大切さを教えられていると思います。また、成仏の原理原則も、繰り返すことによって身に付くこと、純粋な信仰をたもち続けてこそ、本当に成仏できることを教えられたものと拝します。
「青とは藍より出でたれども・かさぬれば藍よりも色まさる」ということについて、先生は長編詩「藍より青し」で、３．１６の儀式について述べられ、「青年よ あくまで前へ 今こそ 一歩も後退しては ならぬ時だ」と叫ばれています。
今は何が起こるか分からない時代、何があってもおかしくない時代だからこそ、信心根本に、一歩も引かずに前進することを決意したいと思います。
御書講義 動画サイト
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■小説・人間革命
・第９巻 小樽問答
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・第１３２巻 随筆 新・人間革命 北海道の大闘争
３月度座談会御書履歴
座談会御書 「聖人御難事」2000年（平成12年）
座談会御書 「四条金吾殿御返事（煩悩即菩提御書）」2001年（平成13年）
座談会御書 「法蓮抄」2002年（平成14年）
座談会御書 「生死一大事血脈抄」2003年（平成15年）
座談会御書 「松野殿御返事」2005年（平成17年）
座談会御書 「報恩抄」2006年（平成18年）
座談会御書 「四条金吾殿御返事」2007年（平成19年）
座談会御書 「異体同心事」2008年（平成20年）
座談会御書 「曾谷殿御返事」2009年（平成21年）
座談会御書 「曾谷殿御返事」2010年（平成22年）
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座談会御書 「異体同心事」2011年（平成23年）
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座談会御書 「聖人御難事」2019年（平成31年）
座談会御書 「兵衛志殿御返事（三障四魔事）」2020年（令和02年）
