【投書】今の世相に思う(3)新型コロナウイルスと人類社会(3)

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投書者:ハーフソール

 前回は科学技術の進歩によって人類はその力を過信するようになったのではないかという所まで書いた。その続きを述べてみたい。

 人類は科学技術によって巨大な力を有するに至り、それによって大きな恩恵に浴していると言ってよいであろう。江戸時代には何十日もかかった道のりも、今や新幹線を使えば二時間半もあればついてしまうし、ご飯を炊くことも風呂を沸かすのも簡単になっている。車は便利だし、買い物もネットで買えてしまう。

 しかし科学技術には正の側面と負の側面があることを忘れてはならないと思うのである。

イギリスで始まったとされる産業革命以降、つい最近まで科学の発達がそのまま人間の幸福につながるというある種の信仰のようなものが根強くあったのではないかと思う。しかしそれが最近になってどうもそうではないのではないかということに気が付いてきたのではないか。

 負の側面で最も象徴的なのは核兵器であろう。核兵器、原爆を人類で初めて開発したのはアメリカの策定したマンハッタン計画で、その主導的役割を果たしたロバート・オッペンハイマー氏である。