座談会御書「立正安国論」2021年(令和3年)5月度

御書

立正安国論
御書全集31㌻16行目~18行目

〈本 文〉

帝王は国家を基として天下を治め人臣は田園を領して世上を保つ、而るに他方の賊来つて其の国を侵逼し自界叛逆して其の地を掠領せば豈驚かざらんや豈騒がざらんや、国を失い家を滅せば何れの所にか世を遁れん汝須く一身の安堵を思わば先ず四表の静謐を祷らん者か

〈通 解〉

 政治権力者は国家を基盤として政治をおこない、国民は働いて世の中に貢献していくのであります。しかし、戦争になってしまったらその基盤や仕事が無くなってしまい騒然とする世の中になってしまいます。
 戦争になり地球や国が滅亡してしまったら、誰もが悲惨な状況から逃げることはできません。
 自身の幸せを求めるならば、まずは社会全体の安穏を祈るべきです。

〈講 義〉

 医学が発達して数々の感染症を克服した現代でも、新型コロナウイルスの感染拡大を止められず社会が閉塞感に覆われています。疫病である新型コロナウイルスに対して私たち創価学会員はどのように考え行動すべきなのでしょうか?
 日蓮大聖人の時代にも疫病が大流行しました。
 今回、学ぶ立正安国論には、なぜ疫病が流行したのか?疫病を根本的に解決するにはどのようにすれば良いのかが書かれています。
 皆で御書を拝読し考えてきたいと思います。また今回の御書講義はできる限り平易な言葉使いとしていますので、あれ?と思う表現があるかと思いますがお許しください。

 御文に入る前に、初めて御書を学ぶ方もいると思いますので、基本的なことをお伝えします。
①御書を日蓮大聖人から頂戴した人を「対告衆」と言います。
②日蓮大聖人は御書を書かれる時に「対告衆」を強く意識されています。
何故なら「直接御書を頂戴する人」だけでなく、未来に御書を拝読する「私たち」を幸せにしたいと考えていたからです。

 本題に入りますが、立正安国論は「主人」と「旅客」とのQ&Aで書かれています。
 日蓮大聖人が想定されている「主人」とは「日蓮大聖人御自身」です。そして「対告衆」は「旅客」です。具体的に言えば日蓮大聖人の仏法を知らない「民衆」と「北条時頼」です。
 先程も示しましたが、この立正安国論の「対告衆」は日蓮大聖人と「北条時頼と同時代を生きた民衆」だけではなく、「現代に生きる私たち」と言うことを心に持って学びましょう。
 立正安国論の冒頭に、「当時の庶民の声を代弁」して旅客が嘆いて主人に話します。

【現代語意訳】
 最近、日本国中に「疫病」が拡大してたくさんの人が亡くなっている。そして疫病の感染拡大は日に日につのるばかりです。
 法華経の経文を信じて「唱える」人もたくさんいます。
 日本国の政治を司る「権力者」は民衆を救済するために素晴らしい政治を行っています。しかしながら、ますます疫病が感染拡大して「仕事を失い」生活に苦しむ人ばかりになり死者は増えています。
 考えてみれば「仏法」も世の中に厳然とあり、国を守護する「諸天善神」もいるはずであるのに、どうしてこのような世の中になってしまったのでしょうか?
 これはどのような過失から生じたのでしょうか?
 いかなる誤りからこのような悲惨な状況になったのでしょうか?
 皆様はこの旅客の嘆き読んでどう思われましたか?
 現代にぴったり合致する思いませんか?
 日蓮大聖人は未来を想定してこの立正安国論を書かれています。
 私たち創価学会員が対告衆です。

【現代に置き換え意訳】
 コロナ禍でこの御書を拝すると次のようになります。
 世界中また 日本国中に「コロナウイルス」が拡大してたくさんの人が亡くなっています。そしてコロナウイルスの感染拡大は世界中で日に日に増加しています。
 創価学会員も日本国中ばかりか世界中で「お題目」を唱えています。
 日本国の政治では私たちが支援する「公明党」が政権与党として民衆を救済するために素晴らしい政治を行っています。しかしながらますます、コロナウイルスが感染拡大して「失業者」は増加の一途であり、生活に苦しむ人ばかりなってきました。そしてコロナウイルス感染症で亡くなる人が増加しています。
 考えてみれば「創価学会」も厳然とあり、その支援する「公明党」は「自民党」と「選挙協力」して「政権与党」となっている。
 勤行での御祈念文については、「諸天善神」の供養は省略されましたが、意義を含んでいるはずであるのに、どうしてこのようなコロナ禍の世の中になってしまったのでしょうか?
 これはどのような過失から生じたのでしょうか?
 いかなる誤りからこのような悲惨な状況になったのでしょうか?

【まとめ】
 日蓮大聖人は立正安国論で「誤った思想」を「権力者」と「民衆」が持つと「疫病」や戦争が発生すると言われています。
 現在、私たち創価学会が支援する公明党は政権与党であり権力者です。世界中、日本国中に学会員はたくさんいます。しかしコロナウイルス感染症は増加の一途です。
 正しい仏法を広めていたはずです。
 私たちは何が間違っていたのでしょう?
 池田先生がトインビー博士との対談で禁止された安全保障関連法案に賛成したからでしょうか?
 勤行の御祈念文を変えたからでしょうか?
 公明党を盲目的に支援した結果でしょうか?
 日本会議に支援されている自民党議員を支援したからでしょうか?

 1つ確実なことは立正安国論にあるように、間違っているからこのような惨状になっていると言うことです。
 池田先生はトインビー対談で依正不二と言われています。
 今回の範囲である御文を拝読し、一人一人が池田先生の弟子として意義深き5月よりスタートして参りましょう。

御書講義 動画サイト

https://www.youtube.com/watch?v=LQtu5XgLiBQ

御書研鑽しよう会

創価の森

5月度座談会御書履歴

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5月の広布史

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――創価学会母の日――
1988年(昭和63年5月3日)

■人間と仏法を語る7巻(今日より明日へ10巻)
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■人間と仏法を語る7巻(今日より明日へ11巻)
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■池田SGI会長指導集 「幸福の花束」―平和を創る女性の世紀へ
 婦人部の歩み