【投書】本末顛倒にしてはならない「日米同盟」

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投書者:カナリア

「パンとサーカス」島田雅彦著 講談社を読んだ。

とても面白かった。元文部科学事務次官の前川喜平氏が、的を射た以下の書評を寄せている。

日米同盟という永続占領から、自由日本を解放する革命戦士たちの叙事詩。

島田雅彦著「パンとサーカス」

と。

主人公たちは「世直し」を目的に、テロを企てる。ドローンを使って、東京・福生の「横田基地」、神奈川・座間の米軍通信基地、国会議事堂や官邸、そして国営放送の犬HKなどを爆撃してしまうのである。勿論、テロは許されることではない。しかし作者の「問題意識」は、作中の次のような言葉を通じて、読者の胸を刺すのである。

反乱や暴動を起こす必要はない。服従するのをやめるだけでいい。その瞬間から自分の人生を始められる。
島田雅彦著「パンとサーカス」

また、

独裁者も人である限り、必ず滅びる。世界は意外と簡単に変わる。氷が解けて水になるように。
島田雅彦著「パンとサーカス」

など。

戦後78年が経とうとしているのに、在日米軍高官と、外務省・防衛省・法務省、その他高級官僚による、「日米合同委員会」は今も定期的に行われている。ここでの「密約」は憲法の三権分立や国内法体系を踏みにじり、日本の主権を侵害することを容認している・・。

具体的には、ご承知のように、我が国の首都圏を含む「横田空域」に日本の主権は及ばないし、「日米地協定」によって米軍関係者に対しては、日本の裁判権は制限されているのである。

米国に対する日本の姿勢は、「自発的な服従」ではないか?いつまでもこんな状況を続けていていいのか??この事が、この小説の底流を流れる「問題提起」であると私には読めた。

昨年末、国会が閉会すると同時に、岸田内閣は国防費を現在のGDP比1%(約5,5兆円)を5年後にDDP比2%(約11兆円)にすることを、閣議決定してみせた。

平和憲法を持し、「専守防衛」を国是としてきた日本国。だからこそ、歴代内閣はGDP比1%の国防費を維持してきたのではないか。GDP比2%の11兆円とは、世界3位の軍事大国になる事を意味するのである。所詮、増税以外に財源があるはずがない。こんな重大な決定を国民的議論もなく、軽く暗愚な岸田などにさせてはならないと強く思う。

「台湾有事」が折に触れて語られる。日米同盟は何のためにあるのか?万が一、中国と台湾との間に軍事衝突があった場合、「日米同盟」と「集団的自衛権」を理由に、自衛隊が軍事行動に出なければならないような事態を懸念する。アメリカは正面には立たず、日本を都合よく使おうとするだろう。

日・米・中。日本は確たる哲学を持ち、真の独立をしなければならないと、心から思う。

【投書】本末顛倒にしてはならない「日米同盟」” に対して1件のコメントがあります。

  1. SHG より:

    全く同感です。

    今のウクライナを見れば分かるように、米国・NATOは、ウクライナに武器を提供して「代理戦争」をやらせています。

    【引用】> ウクライナという戦場で ロシア軍と欧米諸国からの武器をもって戦うウクライナ軍の戦闘が展開されているが、実際はロシアと欧米、もっと厳密に言えば、米国との戦い、すなわち代理戦争の様相を益々深めてきている。 <
    ( Viewpoint 2022/6/02(木) https://vpoint.jp/world/rosia/220148.html )

    米国は、ロシア・中国等核保有国とは絶対に直接戦火を交えようとせず(そんなことをしたら自国にミサイルが飛んで来る)、ウクライナや日本、韓国などに武器を買わせながら代理戦争をやらせようとします。

    『人間革命・第5巻』 「戦争と講和」 の次の一節が思い起されます:

    【引用】 > … 大国は小国の国土でしか戦争をしない。
    小国の住民の犠牲においてしか現代戦争は行なわれないのである。
    朝鮮がそうであったし、ベトナムもそうである。
    そして大国の狡猾さは、それを限定戦争というのである。
    戦争を限定するなどという器用な真似で、小国を屈服させ、世界大戦の危機をずるく避けている。 <
        (『人間革命(単行本)』・第5巻』 「戦争と講和」 134頁)

    【引用】 > 要するに大国は、その勢力の確保と威信をかけて、小国の国土で、小国の住民の犠牲において戦争を行ったのである。
    朝鮮戦争だけではなく、ベトナム戦争もそうである。
    そして、大国の校滑さは、それを限定戦争というのである。
    戦争を限定するなどという、もっともらしい理屈で、小国を戦場化し、大国同士の直接的な戦争になることを避けたのである。 <
        (『人間革命・第5巻』 「戦争と講和」 池田大作全集146巻106頁)

    日本に「代理戦争」をやってもらいたい米国軍産にすれば、平和憲法や日中友好など もっての外 といった所でしょう。

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