私論「立正安国論について」

投稿者:鬼滅の言

止観第二に史記を引いて云く「周の末に被髪・袒身・礼度に依らざる者有り」弘決の第二に此の文を釈するに左伝を引いて曰く「初め平王の東に遷りしに伊川に髪を被(かぶろ)にする者の野に於て祭るを見る、識者の曰く、百年に及ばじ其の礼先ず亡びぬ」と、爰に知んぬ徴(しるし)前に顕れ災い後に致ることを

立正安国論 御書p.25

天台大師は摩訶止観で司馬遷の史記を引用し「中国・周の時代の末に髪型や服装が乱れ、礼儀を守らない者がいた」と述べています。妙楽大師はこの文について止観輔行伝弘決に春秋左氏伝を引用して「周の平王の時代に都を東に遷す時、伊川の地で髪を束ねず、野原で祭祀を行っている者がいた。それを見た識者の声。この国は百年もたないであろう。先ず礼が亡びているからである」と解説しています。このように、災いが起こる時には、必ず前兆がある。その前兆の後に災いが起こるのである。

意訳

7月16日は立正安国論・提出の日です。

その立正安国論の中で私が一番好きな御文です。

「其の礼先ず亡びぬ」と。「その礼」とは、今で言えばマナーやモラルでしょうか。

マナーやモラルが失われていく。それは国が亡びる前兆であると説かれています。

この文の後、日蓮大聖人は唐の武宗皇帝、日本の後鳥羽院の例をあげ、念仏の思想がひろまった後に国が乱れ、滅んでいったと説いています。

地下鉄サリン事件が起こった時、このような報道を記憶しています。

いつか、このような大きな事件が起こるような気がしていた。それは、乗客のマナーが非常に悪いからである。

地下鉄職員のコメント

マナーやモラルの問題、さらには社会の風潮を考えた時、日本は大丈夫と言えるのか?

危機的な状況にあるのではないか?正しい思想・生命尊厳の思想・人間主義の思想が時代をリードしているのか?

今一度、考える時である!

私はそう思います。