開目抄・要文 1

投稿者:鬼滅の言

昨年の秋より有志3名で開目抄の勉強会を週1回行っています。
その勉強会のために各章の要文を作成しました。

【第1章・三徳の標示】

夫れ一切衆生の尊敬すべき者三あり所謂主師親これなり、又習学すべき物三あり、所謂儒外内これなり

御書p.186 1行目


【第2章・儒家の三徳】

儒家には三皇・五帝・三王・此等を天尊と号す
御書p.186 2行目
此等の聖人に三墳・五典・三史等の三千余巻の書あり、其の所詮は三玄をいでず三玄とは一には有の玄・周公等此れを立つ、二には無の玄・老子等・三には亦有亦無等・荘子が玄これなり

御書p.186 7〜8行目

かくのごとく巧に立つといえども・いまだ過去・未来を一分もしらず玄とは黒なり幽なりかるがゆへに玄という但現在計りしれるににたり、現在にをひて仁義を制して身をまほり国を安んず此に相違すれば族をほろぼし家を亡ぼす等いう

御書p.186 10〜12行目


【第3章・仏教の初門となすを明かす】

此等の賢聖の人人は聖人なりといえども過去を・しらざること凡夫の背を見ず・未来を・かがみざること盲人の前をみざるがごとし

御書p.186 12〜13行目

孔子が此の土に賢聖なし西方に仏図という者あり此聖人なりといゐて外典を仏法の初門となせしこれなり

御書p.187 1〜2行目

弘決に云く「清浄法行経に云く月光菩薩彼に顔回と称し光浄菩薩彼に仲尼と称し迦葉菩薩彼に老子と称す天竺より此の震旦を指して彼と為す」等云云。

御書p.187 6〜7行目


【第4章・外道の三徳】

二には月氏の外道・三目八臂の摩醯首羅天・毘紐天・此の二天をば一切衆生の慈父・悲母・又天尊・主君と号す、迦毘羅・漚楼僧佉・勒娑婆・此の三人をば三仙となづく

御書p.187 8〜9行目

其の見の深きこと巧みなるさま儒家には・にるべくもなし、或は過去・二生・三生・乃至七生・八万劫を照見し又兼て未来・八万劫をしる、其の所説の法門の極理・或は因中有果・或は因中無果・或は因中亦有果・亦無果等云云、此れ外道の極理なり

御書p.187 12〜14行目

所謂善き外道は五戒・十善戒等を持つて有漏の禅定を修し上・色・無色をきわめ上界を涅槃と立て屈歩虫のごとく・せめのぼれども非想天より返つて三悪道に堕つ一人として天に留るものなし而れども天を極むる者は永くかへらずと・をもえり

御書p.187 14〜16行目

【第5章・内外相対して判ず】

三には大覚世尊は此一切衆生の大導師・大眼目・大橋梁・大船師・大福田等なり

御書p.188 6行目

外典・外道の四聖・三仙其の名は聖なりといえども実には三惑未断の凡夫・其の名は賢なりといえども実に因果を弁ざる事嬰児のごとし

御書p.188 6〜7行目

此の仏陀は三十成道より八十御入滅にいたるまで五十年が間・一代の聖教を説き給へり、一字一句・皆真言なり一文一偈・妄語にあらず

御書p.188 9〜10行目


【第6章・権実相対して判ず】

但し仏教に入って五十年の経経・八万法蔵を勘たるに小乗あり大乗あり権経あり実経あり 顕教・密教・輭語・麤語・実語・妄語・正見・邪見等の種種の差別あり、但し法華経計り教主釈尊の正言なり

御書p.188 14〜15行目

大覚世尊は四十余年の年限を指して其の内の恒河の諸経を未顕真実・八年の法華は要当説真実と定め給しかば多宝仏・大地より出現して皆是真実と証明す

御書p.188 15〜17行目


【第7章・文底真実を判ず】

但し此の経に二箇の大事あり倶舎宗・成実宗・律宗・法相宗・三論宗等は名をもしらず華厳宗と真言宗との二宗は偸に盗んで自宗の骨目とせり

御書p.189 1〜2行目

一念三千の法門は但法華経の本門・寿量品の文の底にしづめたり、竜樹・天親・知つてしかも・いまだ・ひろいいださず但我が天台智者のみこれをいだけり

御書p.189 2〜3行目

一念三千は十界互具よりことはじまれり

御書p.189 4行目


【第8章・外道・外典が仏教の義を盗むを明かす】

例せば外典・外道は仏前の外道は執見あさし仏後の外道は仏教をききみて自宗の非をしり
巧みの心・出現して仏教を盗み取り自宗に入れて邪見もっとも・ふかし

御書p.189 7〜9行目


【第9章・漢土に仏法伝来】

仏教又かくのごとし、後漢の永平に漢土に仏法わたりて邪典やぶれて内典立つ、内典に南三・北七の異執をこりて蘭菊なりしかども陳隋の智者大師にうちやぶられて仏法二び群類をすくう

御書p.189 18行目〜御書p.190 1行目

其の後・法相宗・真言宗・天竺よりわたり華厳宗又出来せり、此等の宗宗の中に法相宗は一向・天台宗に敵を成す宗・法門水火なり

御書p.190 1〜2行目

華厳宗と真言宗とは本は権経・権宗なり善無畏三蔵・金剛智三蔵・天台の一念三千の義を盗みとつて自宗の肝心とし其の上に印と真言とを加て超過の心ををこす

御書p.190 4〜5行目

華厳宗は澄観が時・華厳経の心如工画師の文に天台の一念三千の法門を偸み入れたり、人これをしらず

御書p.190 6〜7行目


【第10章・本朝に仏法伝来】

日本・我朝には華厳等の六宗・天台・真言・已前にわたりけり、華厳・三論・法相・諍論水火なりけり、伝教大師・此の国にいでて六宗の邪見をやぶるのみならず真言宗が天台の法華経の理を盗み取て自宗の極とする事あらはれ・をはんぬ

御書p.190 8〜10行目

其の後やうやく世をとろへ人の智あさく・なるほどに天台の深義は習うしないぬ、他宗の執心は強盛になるほどにやうやく六宗・七宗に天台宗をとされて・よわりゆくかの・ゆへに結句は六宗・七宗等にもをよばず、いうにかいなき禅宗・浄土宗にをとされて始めは檀那やうやくかの邪宗にうつる、結句は天台宗の碩徳と仰がる人人みな・をちゆきて彼の邪宗をたすく

御書p.190 12〜16行目